著者
木下 栄蔵
出版者
公益社団法人日本オペレーションズ・リサーチ学会
雑誌
オペレーションズ・リサーチ : 経営の科学 (ISSN:00303674)
巻号頁・発行日
vol.51, no.2, pp.111-115, 2006-02-01
参考文献数
3
被引用文献数
1

2005年度プロ野球セ・リーグのペナントレースは阪神タイガースが厳しい戦いを勝ち抜き優勝しました.本連載の第2回目は, 阪神タイガースの事情にお詳しい木下栄蔵氏に, 打者サイドの3つの指標(OERA値等)と投手サイドの3つの指標(OERA値等)を用いた分析に基づき, 独自の視点からその優勝の要因について解説していただきました.
著者
曽我 謙悟
出版者
公益社団法人日本オペレーションズ・リサーチ学会
雑誌
オペレーションズ・リサーチ : 経営の科学 (ISSN:00303674)
巻号頁・発行日
vol.56, no.4, pp.209-214, 2011-04-01

政治学ではこの10年ほどに,時系列・横断面(TSCS)データを用いた分析が急増している.この背景には,理論的な発展,統計分析の手法の発展,そしてデータセットの整備という三つの要因がある.本稿では,これらの三つの要因について検討を加えることで,TSCSデータを用いた分析の現状を捉え,その今後を展望する.
著者
林 利充 大澤 義明 小林 隆史
出版者
公益社団法人日本オペレーションズ・リサーチ学会
雑誌
オペレーションズ・リサーチ : 経営の科学 (ISSN:00303674)
巻号頁・発行日
vol.54, no.1, pp.5-11, 2009-01-01
被引用文献数
1

日本は世界で最も多い30万種類の苗字を持つ国である.苗字は地域の歴史・風土の影響を受けているため,その世帯数には地域差が存在し地域性の一指標となりうる.本稿では,2005年電話帳データに基づいて,苗字の空間的偏在を把握し,その偏在と人口流動との関係性について報告する.なお,その地域の苗字構成比率と全国の苗字構成比率との比較を用いて偏在性を示し,人口移動データと地利値の概念を用いて人口流動を表した.
著者
田口 東
出版者
公益社団法人日本オペレーションズ・リサーチ学会
雑誌
オペレーションズ・リサーチ : 経営の科学 (ISSN:00303674)
巻号頁・発行日
vol.53, no.8, pp.433-438, 2008-08-01
被引用文献数
2

東急田園都市線では2007年春より,朝の急行を各駅停車に格下げした.混雑による遅れを緩和する目的である.田園都市線の混雑のハードさは"鉄"にはよく知られており,某メーカが,電車内でPC液晶が破損した原因を調べたところ,想定をけるかに上回る圧力が測定され,設計を変更したという話もある.社会環境を考えると,線路の増設などのハードウェアではなく,電車の利用方法というソフトな解決策を考えるのは合理的であろう.そのためには,電車の運行を詳細に既述できるモデルが重要である.本文では,時空間ネットワークと応用例を紹介し,乗り換え案内だけではない,計画の分野への応用の可能性を述べる.
著者
田村 直樹
出版者
公益社団法人日本オペレーションズ・リサーチ学会
雑誌
オペレーションズ・リサーチ : 経営の科学 (ISSN:00303674)
巻号頁・発行日
vol.51, no.12, pp.723-728, 2006-12-01
被引用文献数
4

本稿では,インターネットが広く一般家庭に浸透するようになった1990年代半ばから現在までの間,いかに消費者を自サイトヘ「誘導」していくかの取組みを中心に述べていくことで,インターネットマーケティングの進化の過程を俯瞰したいと考えている.
著者
廣津 信義 仲村 明 金子 今朝秋
出版者
公益社団法人日本オペレーションズ・リサーチ学会
雑誌
オペレーションズ・リサーチ : 経営の科学 (ISSN:00303674)
巻号頁・発行日
vol.57, no.1, pp.5-10, 2012-01-01
参考文献数
8

箱根駅伝予選会では,出場校は出走選手12名中上位10名の合計タイムを競い,上位9校(ないしは10校)が予選通過となる.本稿では,各選手のタイムが独立な正規分布に従うという前提の下で,各校のレースタイムの確率分布,予選通過タイムの確率分布ならびに各校の予選通過確率を求めるための計算方法を提案する.数値例として,第88回箱根駅伝予選会のデータを基に,選手のタイムの標準偏差を設定したときの,予選通過タイムや各校の予選通過確率の計算結果を示すとともに,選手個々が予選通過に与える影響についても言及する.
著者
作田 誠
出版者
公益社団法人日本オペレーションズ・リサーチ学会
雑誌
オペレーションズ・リサーチ : 経営の科学 (ISSN:00303674)
巻号頁・発行日
vol.52, no.1, pp.27-34, 2007-01-01
被引用文献数
1

不完全情報ゲーム研究の動向を以下の内容でレビューする.まず不完全情報ゲームがどういうものかを説明した後,研究の意義と重要性について触れる.次に研究手法として,ゲーム理論によるもの,相手モデル化によるもの,論理プログラミング,シミュレーションや探索を主体とした手法,完全情報問題として解く手法などを紹介する.最後に,スクラブル,ポーカーやブリッジ,麻雀,衝立将棋を始めとする主要な問題領域における現状と展望を示す.また新しいゲームであるDI将棋についても言及する.
著者
水山 元
出版者
公益社団法人日本オペレーションズ・リサーチ学会
雑誌
オペレーションズ・リサーチ : 経営の科学 (ISSN:00303674)
巻号頁・発行日
vol.55, no.4, pp.215-220, 2010-04-01

予測市場とは,市場メカニズムの持つ情報集約機能を予測のためのツールとして利用する技術であり,「集合知に基づく予測」を実現し得る手段の一つとして注目されている.需要予測への応用を考えると,新製品の需要を予測したい場合や,需要パターンに構造変化が生じやすい場合など,過去の需要実績に頼った予測が難しい場合に特に有効になると考えられる.本稿では,まず,予測市場技術の概要を述べた上で,それを需要予測に応用した事例を紹介する.また,予測市場を用いた需要予測の従来法をさらに発展・洗練させていくための研究開発の現状についても触れる.
著者
平井 力
出版者
公益社団法人日本オペレーションズ・リサーチ学会
雑誌
オペレーションズ・リサーチ : 経営の科学 (ISSN:00303674)
巻号頁・発行日
vol.53, no.8, pp.446-452, 2008-08-01
被引用文献数
2

列車ダイヤに乱れが生ずると,たいへん多くのお客さまに影響が生ずる.列車の運行を管理する指令室では,運休や,到着番線の変更など,列車ダイヤに対して一連の変更を加えることで,その影響を最小限にする努力がなされる.運転整理と呼ばれるこの業務を支援するため,各鉄道会社では専用のコンピュータシステムが導入されつつあるが,ダイヤ変更の内容を決定しているのは,実は,指令員と呼ばれる人間である.運転整理の根幹であるこの判断を,コンピュータが自動的に提案することはできるのであろうか.本稿では,この運転整理案の自動作成に関する研究動向と,筆者らの取組みを紹介する.
著者
氏田 博士
出版者
公益社団法人日本オペレーションズ・リサーチ学会
雑誌
オペレーションズ・リサーチ : 経営の科学 (ISSN:00303674)
巻号頁・発行日
vol.51, no.10, pp.646-654, 2006-10-01

まず最近多発する組織事故や不祥事とは何かを考察する.次に安全を担保するための深層防護やりスク概念などの方法論を整理しさらにその基本となるリスク論の問題点を摘出する.リスク論が安全・安心の考え方の基本として認められるためには,人間信頼性評価や組織の信頼性評価の方法論としての十分な検証が必要である.さらに,安全性向上のためには,組織として技術的に考慮すべき安全文化や技術者倫理やりスタリテラシーなど,また社会側から組織や技術システムへ働きかける仕組みも不可欠である.最後に,安全性を向上するための安全ファンドなどの積極的な枠組みの動向についても述べる.